STORY
2018年夏。札幌市では殺人マシーンと化した少女たちによる連続殺人事件が多発していた。この事件は「篝火乙女事件」と呼ばれている。
そんなある日の事。ケウトゥムハイタで暮らすアスカ、ユリ、アヤ、ヤマトの四人は窮地に陥っていた。
何故なら彼らが所有する未来予測が可能なソフト「篝火乙女」が、篝火乙女事件の次の被害者はユリになると予測したからである。
アスカたちは死を回避しようと行動に移すが、彼らの裏では世界の命運を決める戦いが始まっていた。
事件の裏にはこの世に存在しないはずの超越的なナノボット、桁外れの性能を誇る量子コンピュータの影が見え隠れしているのが現状である。
しかし真相に気がついている者はほぼゼロであった。なぜなら誰もが加害少女の写真をネットで検索するのに一日を費やしていたからだ。
人間はビタミンよりも他人の不幸を率先して食らい尽くすクズであり、常識の外に飛び出す勇気を持たない腐った肉の塊に過ぎない。
世界は篝火乙女事件という大イベントで盛り上がっていた。世界は事件をイベントと捉える事しか出来ない低能で溢れていた。
篝火乙女事件が終焉を迎えた時、世界の命運も決着する。
そして、世界の命運がどんな転び方をするのかは全てアスカに委ねられている。
篝火乙女事件は世界の行く末とユートピアに結論を与える物語であり、その中心に立つ少女の特異点は人類最後の爆弾なのだ。
ユートピアを巡る物語が始まってから98年目。西暦2063年に動き出した物語は、否応なしに人類をエデンの園へ導いていく。